動画「シール貼り付け はがしやすさ比較」について
この動画ではコーティングをしていないステンレス板(SUS304)と撥液性に優れるコーティング「JCコート P 」を施したステンレス板にシール(タックインデックス)を貼り付け、そのはがしやすさを比較しています。
そもそもなぜシールはくっつくのか?
物と物は接近したときに「分子間力」という力によってくっつきます。しかし、身の周りの物をいくら近づけてもくっつくことはありません。その名の通りお互いが分子レベルで近づくことが必要だからです。分子レベルで見ると物には微細な凹凸があり、分子間力が働く距離まで近づくことができないのです。つまり、物をくっつけるためにはこの凹凸を埋めてあげればよいのです。
例えば、外側が水で濡れたコップに紙をくっつけるとぴったりと貼りつきますよね。これはガラス表面と紙の間の凹凸を水が埋めているからです。でも、すぐズレてしまったり、乾燥してはがれてしまったりと水では不安定です。そこでシールやテープでは、安定して凹凸を埋めるために水ではなく粘りがある粘着剤を使っているのです。
話が脱線しましたが、これでシールがくっつく仕組みはわかりましたね。今回の動画ではJCコート P の効果を強調するためにかなり強く貼り付けています。つまりシールとステンレス板との間の凹凸をできる限り少なくしようとしているのです。その甲斐あってコーティング無しの板からシールをはがすのは、かなり大変でした。最初の角がなかなかはがれず、何テイクか撮りなおしています。基材のステンレス板が歪むほど力が必要で、タックインデックスも真ん中のミシン目から破れてしまいました。
一方、JCコート P を施した板は簡単にはがすことができました。角を少しはがした後は、シールが板の上に乗っているだけというような感覚です。これはJCコート P を施すことによってステンレス板に撥液性が付与されているからです。シールの粘着剤をはじいているので凹凸を埋めることができず、あれほど強く貼り付けたつもりでもシールがくっつかないのです。
粘着性のある製品を取り扱う工程や粘着物吸着ノズルへの適用等にJCコート P を是非お役立てください。